先日まで、10.70%で募集していたトルコ・リラ債券だが、今度は、12.37%が出ている。
低金利時代に、まさか、本当なのかと誰もが疑いたくもなる。
でも、有名な、モルガンスタンレーが、発行しているし、国内の一流証券会社が申し込み先になっている。
文句のつけようもない会社が、発行、運営している。あとは、唯一心配なのは、肝心なことは、今後10年満期までにトルコの経済がデフォルトを起こすかもしれないということだ。
デフォルトとは、一般に国家破産とか、財政破綻と言われているが、要するに、国が借金を返済するのが不可能になった状況になること。
心配では、あるが、一応、この話に乗るとして、調べてみました。

上図が、売り出し広告です。素晴らしい中身です。

満期は10年後ですが、投資額の3倍になって償還されます。
前回(2020年5月15日)まで、募集していたトルコリラ債は、満期が5年、利率が年7.50%で年2回の利払いだった。
募集期間は1カ月だったが、どれだけ資金が集まったのか。
今回は、ゼロクーポンだから、途中の利息はない。その代わり、額面金額のの31.15%で買うことができる。わかりやすく言うと、10年後の償還金が100万円とすれば、311500円で買うことができるということ。
つまり、311500円が途中の利息はないけど、10年後に100万円になって戻ってくると言う話。
すごいじゃないですか。30万円が100万円。話半分でも50万円になる。
こういううまい話には、かならず、何かがあるんだが、なかなか、わからない。

上図では、リラの価格が15.81円(売出時)で、49万円を投資、償還時に10リラでも100万円がもどってくるという、シュミレーションである。
最悪、リラが3分の1にまで、下がっても、投資した金額は戻ってくることになっている。
つまり、これを見る限りは、最高で3倍、最悪でも元金はもどる。

このリラのチャートを見る限り、2年前の暴落で底を打ち、今回は、二段底になりそうな、感じ。こういうチャートは、株でいえば、買いどころともいわれているが、はたして、そうなるのか、どうか。

シュミレーションで20万リラを100万円で買えば、償還金は約300万円となる。そういう結果が出ている。
実にいいことづくめで、文句のつけようがない話である。
で、冷静に考えて、冒頭にちょっと触れた、トルコの信用度のことである。
トルコの経済は、大丈夫なのか。それが一番の心配の種となってくる。
つまり、お金を貸す側に、これほどの有利な条件は、なぜなのか。
ちなみに、信用のある日本の国債10年物は、金利が最低保証で0.05%ととなっている。
ほぼ、金利0と同じである。ただ、1年たてば解約はできる。
つまり、安心して預けることができる債券は、金利は低いと相場は決まっている。
資金繰りに困った、中小企業主は、大手銀行から融資が受けられなくなると、街金と言って銀行などより、高い金利で借りることがある。
トルコが中小企業とは、言えないが、実際のところ、投資して大丈夫かと、どうしても心配になる。
国際情勢を見ると、トルコはカタールと友好国だ。そのカタールは、サウジアラビアや、UAE,などの中東諸国から国交断絶をされている。
そのことは、トルコは、中東諸国からの援助は受けにくい。どうやら、孤立している感じのトルコ。頼みの綱は、ロシアか中国かな。
先月、償還された債券より、より、有利な債券の発行。このことは、より、危なくなったことの裏返しでもある。
うがった、見方をすれば、先月、満期を迎えた償還金の返済と引き換えに、新しい債券の発行かとも、考えられる。
悪く言えば、いわば、自転車操業みたいな感じでもある。そうではないとは、思うが、そうみられても、やむを得ない、周囲の情勢がある。
結局のところ、前回の債券よりも、危ない債券になっているがために、投資する人にとっては有利な条件になっている。
ここは、そういうことを、頭に入れて、余裕資金が1000万円以上ある人でも、損を承知で100万円以内の投資として、分散投資がいいかもです。
判断は、お任せですね。あくまでも当事者の自己責任でお願いします。